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中村 龍也; 片桐 政樹; 大久保 雅隆*; Pressler, H.*; 高橋 浩之*; 中澤 正治*
AIP Conference Proceedings 605, p.173 - 176, 2002/00
準粒子トラップ層を持つ超伝導トンネル接合型X線検出器(Nb/Al/AlOx/Al/Nb)において、ある条件下では周期的な電荷出力分布を持つことをLTSSMによる実験から初めて明らかにした。このような電荷出力分布はSTJ検出器のエネルギー分解能を顕著に劣化する原因の一つである。本周期構造は、(1)素子サイズがジョセフソン特性長,、の2倍以上、かつ(2)バイアス電圧が0.2mV以上、において生じ、その周期はおよそ100であった。この周期的電荷出力分布の起源は超伝導電極への過剰準粒子注入による超伝導不安定性にあると考えられる。したがって、準粒子トラップ層を持つSTJ検出器の高エネルギー分解能化のためには、素子を準粒子トラップ層のエネルギーギャップに相当するバイアス電圧以下で動作させる、あるいは2以下の大きさの素子とする必要があることがわかった。
片桐 政樹; 中村 龍也; 大久保 雅隆*; Pressler, H.*; 高橋 浩之*; 中澤 正治*
AIP Conference Proceedings 605, p.177 - 180, 2002/00
Nb/Al/AlO/Sl/Nb構造の超伝導トンネル接合の信号読み出しに高速電流読み出し法を用いた高計数率X線検出器の開発を行った。素子の特性は、ライズタイムは100ns,電流収集時間は260nsそして0.4Kにおける抵抗は20オームであった。本素子を用いて、超伝導コイルを用いた高速電流読み出し回路を作製した。KEKの放射光施設を用いてX線に対する特性試験を行った。その結果、10cpsから100kcpsまでの計数率に対して270eVのエネルギー分解能が得られた。300kcpsでも300eVの性能が得られることが確認できた。これにより、超伝導トンネル接合の高計数率X線測定への応用の見通しが得られた。